2014.08.22
創立約500年の大法寺。疱瘡よけの神様として信仰される寺宝がある
JR中央・総武線「平井駅」の南側に広がる住宅街。下町の風情漂う家々の間を縫って歩くと、コマツナ発祥の地である小松川の名前を冠した東京都立小松川高校がひょっこりと姿を現します。と同時に、並んだ4つの寺の静かなたたずまいも目に飛び込んできます。
同校校庭の向かい側、荒川に向かって垂直に伸びる道沿いに並ぶ、その4つの寺の荒川側から数えて3つめが「大法寺」です。
境内から東京スカイツリーを望む
参道から望む大法寺の本堂
創立は戦国時代の1522(大永2)年。1929(昭和4)年に東京・本所(墨田区)から、この地に移転しました。
本堂の宮殿には「広布石」という寺宝が納められています。江戸川区教育委員会によると、いまの亀戸(江東区)に住んでいた千葉某(なにがし)という人物が、日蓮聖人から与えられた7文字の題目を刻んだ石だそうです。1253(建長5)年のことだといいます。この千葉氏の子孫が疱瘡(ほうそう=天然痘)を病んで亡くなった後、石の功徳によって蘇生したという故事から疱瘡よけの神様として信仰されているそうです。毎年10月(日にちは年によって変動)に一度だけ、石のご開帳があります。
さて、門からまっすぐに伸びる参道の突き当たりに本堂があります。門から境内を望んだ際に真っ先に目に入るのは、卒塔婆の向こうにそびえ立つ東京スカイツリーの威容かもしれません。
参道の両端に約400基の墓石が並ぶ墓苑があります。うち20区画が新たに売り出されています。
駐車場は車5台分を確保していますが、檀家は近在の人が多いそうです。訪問時も自転車で参拝にくる人を見かけました。ただ、最近は改葬も増え、都内の郊外型大型霊園から移した人もいるそうです。街中の墓苑は今後、より広範囲の地域の人々から注目されるのかもしれません。
すぐそばを流れる荒川
今回の訪問では、平井駅南口から歩いてみました。老舗の喫茶店や地場のマーケットなどが並ぶ商店街「親和会」などをゆっくりと進んで20分ほどで到着したのですが、縦横に道が走り、迷いがちですので地図は必携です。途中にアーケードなどはありませんので、天候に合わせて日傘や雨傘の用意もお忘れなく。
平井駅北口のバス乗り場から葛西駅前行きに乗り、「小松川三丁目」バス停で下車すると、そこから徒歩で5分ほどだそうです。南口にはタクシー乗り場もあります。
(石井健)
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